
パソコンの普及とともに手書きの文字も少なくなりました。業務の文書は活字ばかりで、年賀状やあいさつ状も印刷が当たり前の時代です。手で文字を書くのはちょっとしたメモ程度という人がほとんどだと思います。まして日常的に万年筆を使う人は本当に限られています。
ボールペンや水性ペンは、安くて書き味も安定しています。使い捨てで面倒なメンテナンスもいりません。それに比べると万年筆は高価だし、手入れも必要です。インクの入れ替えには手が汚れるし、インク漏れを起こすこともあります。実用性だけで考えれば、万年筆でなければならない場面はほとんどありません。しかしそれだけに、この時代にあえて万年筆を使う人は、文字の味わいやペンの風格など、実用性とは違うものを求めているのではないでしょうか。
しかし、雑誌などで特集が組まれることはあっても、写真が並んでいるだけで、書き味の違いはわかりません。お店に出掛けても、万年筆はショーケースの中に並べられ、ちょっとのぞいてみる雰囲気ではありません。ずらりと並んだ万年筆はデザインも色も大きさもさまざま。何を基準にどう選んだらいいか、途方にくれてしまいます。
万年筆は極めてデリケートな道具です。これと決めた一本をとことん使い込むことでペン先が持ち主の書き癖になじんでくる場合もありますが、ペンの持ち方、筆圧、筆速などにより、同じペンでも書き味が異なったりします。お店で試し書きをするにも、片っ端から書くわけにもいかず、ある程度絞り込んでおきたいもの。
インプレ広場は、実際に万年筆を使った印象や書き味を皆さんに報告してもらい、メーカー別に分類したサイトです。書き手の個人的差も大きく、同じモデルでも個体差が大きいので、あくまで主観的な個人の感想ですが、たくさんの皆さんの報告が集まることで、ペン選びの参考になればと思います。
他の人がそのペンに何を求めどう評価したか、楽しみながら読み比べてください。細字でカリカリ書くのが好きな人、どっぷりヌラヌラに恍惚する人、限定品のコレクター、このご時世にあえて万年筆を使う人は、その人なりのこだわりがあると信じています。そしてこのサイトを訪れたあなたも、ぜひその一員になってください。
kan 2003.06.01